八ヶ岳 赤岳天狗尾根 2・17,18
天狗尾根完登!
2/17,18に八ヶ岳東面、赤岳天狗尾根に行ってきました。
メンバーは、下里、石川、小谷、小林、千田OBコーチ。
16日は千田兄家に居候し、17日は車にて美し森駐車場(1500m)へ。快晴。雪は皆無。9:10、基本的には自分たちで判断することを確認し、林道をひたすら2Pで11:20出合小屋へ。地獄谷の堰堤には梯子や赤○の印があり、美しく折り重なった氷曝が時間を止めている。幾度の凍った渡渉。トップの小谷は気合が入って、ついつい競歩。トレースが完璧にあり、夏通りのコースタイム。
堰堤に美しく折り重なった氷曝
出合小屋〜上ノ権現沢と赤岳沢の分岐(小さい標識あり)〜
赤岳沢〜天狗尾根〜12:30休憩、旭岳東稜を望む〜13:20、2mほどの岩場で2箇所ロープを出し、フィックス通過〜2350m付近泊。竹ペグの代わりに、アックスなどで張る。天気図では、翌日は昼から天候回復の見込み。17時ごろからパラパラと降雪。学ぶことも多く、楽しい宴が展開された。
18日、4時起床、6時発。南風がやや強く、多少の降雪。積雪は、一夜で30cm弱。急登を終え、7:00吹きさらしの稜線下で一本とる。ヘッドラをしまい、厚着をし、ゴーグルをつけ、メットをかぶる。小林のヘルメットが失踪。20分ほどで風が弱まる。
いざ尾根上へ.横風に突っ込む。
カニのツメ左が谷に落ち込んでおり、10mの岩場は氷結していたので、ダブルアックスで下里リードでフィックスを張る。ここからはずっとナイフリッジ。すぐに30mの岩場と右のルンゼに。
下里が空荷でリード。ルンゼの取り付きまでトラバースし、紫の残置フィックス沿いに抜けるが、下部のルンゼ入り口にびびる。草付きがあまり無く、ステミングとハイステップで切り抜ける。草付きのルンゼに入ってしまえば、60度ほどでさくさく登れる。しかし、残置フィックスの終了点のある木まで支点はない。高揚。50mいっぱいまで伸ばし、ルンゼを抜けフィックス。マッシャーでのユマーリングは大変そう。練乳を吸いつつ1時間程待機し、セカンドが上げてきた別のロープで懸垂し、ザックを回収しビレイしてもらい、最後の小林と同時に登り返す。ここで1時間半ほどかかる。
3分ほどで大天狗手前の岩場に。
でかい。
30〜50m程で氷結している。ビレイ点は1cmほどの細木と、千田さんに打ち込んでもらったピッケルとアックス。怖い。
小谷にビレイしてもらい、下里がリードする。最初の2mの90度ほどの部分が特に怖い。今度はザックを背負っている。草付きを探し、必死にアイゼンを蹴り込み立ち込む。途中、細木と岩にプルージック。絶対落ちれんなー。
バンドに上がり、左上し右上に抜ける。ここの通過に1時間ほど。
最初の2mの90度ほどの部分。氷結した草付きを探し、必死にアイゼンを蹴り込み立ち込む。中間支点は、細木と岩のプルージック。絶対落ちれんなー
セカンドの小谷が上げてきたロープで、先に進み、次の岩峰の右上にフィックスを張り、大天狗基部へ。
ここは怖いではなく、恐ろしい。
千田さんにトップをお願いする。右へのトラバースのはずだが・・・?草付きはなく、明らかにむずそう。バンドに直登を試みるがハーケンを2本打つも出直し、スリングの付いた残置ハーケンをとり、さらに右の残置ハーケンをとって、インナー手袋でフリークライミング。3mほどトラバースしてバンドに上がる。
後輩から、えー!?千田さんがいけても俺ら無理ちゃうん!?という声が漏れる。絶対ガバやから!と鼓舞し、登らせ、下里がラストで回収。
稜線までノーザイルで急登のラッセル。怖いが大丈夫。団子を3歩ずつ落とす。慎重に。はぁはぁ。鎖が見えた!縦走路だ!右手には赤岳が雲の上に鎮座している。切れ落ちた稜線。千田さんとがっちり握手を交わす。「次は、駐車場についた時だ。最後まで気を抜くなよ。」
ようやく赤岳南稜に。自分たちの限界に、おなかいっぱい
慎重にツルネに向けてキレットを下る。
ガレ場は雪が付いているところを、ルンゼは一人ずつトラバース。ラッセルの稜線のアップダウンに小谷、小林がばてる。意識朦朧だったらしい。カメラマンの小林は、ここから全く写真をとっていない。
リミットが近づく。夕日だ。東西に雲海が金色に広がり、天狗尾根がものすごい角度で切れ落ちている。大天狗が黒々とその鼻をそそり立たせている。
赤岳をバックに。小天狗が見える。どや!
「あんなとこを登ったんや!むっさかっこええラインやんけ!!」と一人下里がハイテンション。小谷は、つぼ足にはまる。16:30ツルネ東稜。ナイフリッジが多く、赤テープが無ければ、二箇所ある上ノ権現沢への支尾根にはまっていたかもしれない。途中からトレースがうっすらと残っており、駆け下りる。石川の号令で強制休憩しヘッドラを装着。小谷は練乳を一気飲み。18:30出合い小屋。ワカンを回収し、林道をひたすらぐにゃぐにゃとノンストップで走り抜ける。長い。20:10美し森駐車場着!!
実はここからが核心で、結露で前が見えないサニーをふみっぱで、温泉に向けてぶっとばす。一番怖い瞬間。今夜の獲物は高根の湯。20分で家につき、着替えをもって引き返す。もう、湯に餓えた雄狼たちは、いけいけどんどんである。ちぎってはなげ、ちぎってはなげ、それとはしらず、前方車両にハイビーム。つねにハイビーム。下山連絡もそんな車中から必死にメール。画面が泳ぐ。俺たちに明日はない、今入らねば。ようやく、至福の時。閉湯までごろごろ。
心を癒し現実に連れ戻したのは、温泉で、体を満足させたのは、バーミヤンだった。
筆者註:下山後の握手は、このようなハイライトにかき消され、感動の瞬間は、温泉まで持ち越しになったのである。
2/17,18に八ヶ岳東面、赤岳天狗尾根に行ってきました。
メンバーは、下里、石川、小谷、小林、千田OBコーチ。
16日は千田兄家に居候し、17日は車にて美し森駐車場(1500m)へ。快晴。雪は皆無。9:10、基本的には自分たちで判断することを確認し、林道をひたすら2Pで11:20出合小屋へ。地獄谷の堰堤には梯子や赤○の印があり、美しく折り重なった氷曝が時間を止めている。幾度の凍った渡渉。トップの小谷は気合が入って、ついつい競歩。トレースが完璧にあり、夏通りのコースタイム。
堰堤に美しく折り重なった氷曝
出合小屋〜上ノ権現沢と赤岳沢の分岐(小さい標識あり)〜
赤岳沢〜天狗尾根〜12:30休憩、旭岳東稜を望む〜13:20、2mほどの岩場で2箇所ロープを出し、フィックス通過〜2350m付近泊。竹ペグの代わりに、アックスなどで張る。天気図では、翌日は昼から天候回復の見込み。17時ごろからパラパラと降雪。学ぶことも多く、楽しい宴が展開された。
18日、4時起床、6時発。南風がやや強く、多少の降雪。積雪は、一夜で30cm弱。急登を終え、7:00吹きさらしの稜線下で一本とる。ヘッドラをしまい、厚着をし、ゴーグルをつけ、メットをかぶる。小林のヘルメットが失踪。20分ほどで風が弱まる。
いざ尾根上へ.横風に突っ込む。
カニのツメ左が谷に落ち込んでおり、10mの岩場は氷結していたので、ダブルアックスで下里リードでフィックスを張る。ここからはずっとナイフリッジ。すぐに30mの岩場と右のルンゼに。
下里が空荷でリード。ルンゼの取り付きまでトラバースし、紫の残置フィックス沿いに抜けるが、下部のルンゼ入り口にびびる。草付きがあまり無く、ステミングとハイステップで切り抜ける。草付きのルンゼに入ってしまえば、60度ほどでさくさく登れる。しかし、残置フィックスの終了点のある木まで支点はない。高揚。50mいっぱいまで伸ばし、ルンゼを抜けフィックス。マッシャーでのユマーリングは大変そう。練乳を吸いつつ1時間程待機し、セカンドが上げてきた別のロープで懸垂し、ザックを回収しビレイしてもらい、最後の小林と同時に登り返す。ここで1時間半ほどかかる。
3分ほどで大天狗手前の岩場に。
でかい。
30〜50m程で氷結している。ビレイ点は1cmほどの細木と、千田さんに打ち込んでもらったピッケルとアックス。怖い。
小谷にビレイしてもらい、下里がリードする。最初の2mの90度ほどの部分が特に怖い。今度はザックを背負っている。草付きを探し、必死にアイゼンを蹴り込み立ち込む。途中、細木と岩にプルージック。絶対落ちれんなー。
バンドに上がり、左上し右上に抜ける。ここの通過に1時間ほど。
最初の2mの90度ほどの部分。氷結した草付きを探し、必死にアイゼンを蹴り込み立ち込む。中間支点は、細木と岩のプルージック。絶対落ちれんなー
セカンドの小谷が上げてきたロープで、先に進み、次の岩峰の右上にフィックスを張り、大天狗基部へ。
ここは怖いではなく、恐ろしい。
千田さんにトップをお願いする。右へのトラバースのはずだが・・・?草付きはなく、明らかにむずそう。バンドに直登を試みるがハーケンを2本打つも出直し、スリングの付いた残置ハーケンをとり、さらに右の残置ハーケンをとって、インナー手袋でフリークライミング。3mほどトラバースしてバンドに上がる。
後輩から、えー!?千田さんがいけても俺ら無理ちゃうん!?という声が漏れる。絶対ガバやから!と鼓舞し、登らせ、下里がラストで回収。
稜線までノーザイルで急登のラッセル。怖いが大丈夫。団子を3歩ずつ落とす。慎重に。はぁはぁ。鎖が見えた!縦走路だ!右手には赤岳が雲の上に鎮座している。切れ落ちた稜線。千田さんとがっちり握手を交わす。「次は、駐車場についた時だ。最後まで気を抜くなよ。」
ようやく赤岳南稜に。自分たちの限界に、おなかいっぱい
慎重にツルネに向けてキレットを下る。
ガレ場は雪が付いているところを、ルンゼは一人ずつトラバース。ラッセルの稜線のアップダウンに小谷、小林がばてる。意識朦朧だったらしい。カメラマンの小林は、ここから全く写真をとっていない。
リミットが近づく。夕日だ。東西に雲海が金色に広がり、天狗尾根がものすごい角度で切れ落ちている。大天狗が黒々とその鼻をそそり立たせている。
赤岳をバックに。小天狗が見える。どや!
「あんなとこを登ったんや!むっさかっこええラインやんけ!!」と一人下里がハイテンション。小谷は、つぼ足にはまる。16:30ツルネ東稜。ナイフリッジが多く、赤テープが無ければ、二箇所ある上ノ権現沢への支尾根にはまっていたかもしれない。途中からトレースがうっすらと残っており、駆け下りる。石川の号令で強制休憩しヘッドラを装着。小谷は練乳を一気飲み。18:30出合い小屋。ワカンを回収し、林道をひたすらぐにゃぐにゃとノンストップで走り抜ける。長い。20:10美し森駐車場着!!
実はここからが核心で、結露で前が見えないサニーをふみっぱで、温泉に向けてぶっとばす。一番怖い瞬間。今夜の獲物は高根の湯。20分で家につき、着替えをもって引き返す。もう、湯に餓えた雄狼たちは、いけいけどんどんである。ちぎってはなげ、ちぎってはなげ、それとはしらず、前方車両にハイビーム。つねにハイビーム。下山連絡もそんな車中から必死にメール。画面が泳ぐ。俺たちに明日はない、今入らねば。ようやく、至福の時。閉湯までごろごろ。
心を癒し現実に連れ戻したのは、温泉で、体を満足させたのは、バーミヤンだった。
筆者註:下山後の握手は、このようなハイライトにかき消され、感動の瞬間は、温泉まで持ち越しになったのである。
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